鉄鍋の黒い被膜を丈夫にするには?

こんにちは。鉄鍋伝道師の山口です。(^o^)v

鉄鍋の黒い被膜を、剥がれずに定着させる方法をご紹介します。

こちらは愛用しているTEKKIN-PAN 20cmですが、トマト炒めで軽く煮込んだら酸の影響でご覧の通り、中央部分の被膜が取れてしまいました。

★ TEKKIN-PANの製法は こちら

TEKKIN-PANは、本体は打ち出し中華鍋でおなじみの山田工業所でフラットな鉄板を数千回叩いてこの形状を作り上げています。
本体を打ち出すに当たり、側面部分~底面の折り曲げ部分を叩くので、その部分には細かいキズが付き、それにより油馴染みがよくなります。
しかし当店のロゴマークのある中心部分は叩き上げないため、鉄板の表面がツルツルです。これだと油馴染みが悪く被膜が定着しづらいのです。

未使用のTEKKIN-PAN。底面中心部分は槌目がないのがわかりますね。
そこで!この槌目がない部分に、紙ヤスリをかけて表面に細かなキズを付けてからシーズニング(焼き慣らし)をします。
キズが目立たないように細目の番手の紙やすりを使用します。
また、直線的にヤスリがけするとキズ跡が目立ちやすいため、ロゴマークを中心に円を描くようにヤスリがけをするのがいいと思います。 ここに植物性オイルを極々薄く塗り、それをガスコンロで空焼きします。

いままではオリーブオイル派でしたが、最近は米油をオススメしています。米油は粘性が低いので少量でもとてもよく伸びて使いやすいですよ。
IHの方は、空焼きするとセンサーが反応してうまくいかない場合が多いので、カセットコンロを使用してください。
ガスコンロでもセンサーが過敏に反応してしてしまう場合も同様です。熱している最中に、ボロ布にオイルを染み込ませたものをトングでつかみ、全体に塗り付けるとよりキレイに皮膜が焼き付きます。
火傷防止でトングは必ず使用してください。
このとき煙はモウモウに出ますので換気扇はMAXで。

これを3~4回繰り返せばバッチリです。

おぉ~、いい感じ♪黒い被膜はこれで定着しやすくなります。


【重要ポイント】
油をたっぷり塗ってしまうと、出来上がりは真っ黒でピカピカにはなるのですが、しばらくするとペンキが剥がれるように塊でペロッと剥がれやすいので、くれぐれも薄~く塗ってそれを繰り返してくださいね。

AOM鉄フライパンも表面がツルツルなので、上記と同様に被膜が剥がれる場合があります。
これも同様に行えば、被膜が定着しやすく、長年かけて真っ黒に育てた感が出ます(笑)。

こちらはまだ使用頻度が少なめの AOM 片手粉もんパン20cm です。上記と同様、円を描くようにヤスリがけをして。【ご注意下さい!】

AOMは木製ハンドルのため、この作業を行うとハンドルが焦げるおそれがあります。
このように必ずハンドルを外してから行って下さい。
この鍋をつかむためのプライヤー等をご用意下さい。

※ リング状のハンドルネジに丈夫な棒を刺せば、手で簡単に回して外せます。

AOM(青む)が KUROM(黒む?)に成長しました♪

ぜひお試しを。

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